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イギリス旅行記?牛(の革)をめぐる冒険??

2009年05月05日 04:21

完璧な靴といったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

でも、僕にはほんの少しだけ完璧に近づいてるかなと思える靴がある。あくまで既製靴の中で、だけどね。


2008年の6月10日、本当はゆっくり寝ていたかったのだけど、僕は普段の僕じゃ考えられないほど早起きをした。日本にいる頃なら、夢の中で耳の聞こえない兎にOasisの素晴らしさを語っていることだろう。お祭りのりんご飴のような色の目をした兎は首を傾げて僕の方を不思議そうに見つめているだけなのだけど。

僕が宿泊していたHammersmithはロンドンの中心に向かうには少し遠い。
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ロンドンの中心にあるEustonから、イギリスの片田舎に向かうには少し大げさに見える電車(僕はもう少しこじんまりとした電車、むしろ列車と呼べるものが好きなのだ)に乗ってNorthamptonに向かう。
Northampton行きの電車の中では誰もが少し物憂げで、雑誌を読んだり目を閉じている。
僕はこれから向かう町のことを想像したり、Oasisの"Wonderwall"をリピートしながら、
―ノエル・ギャラガーは、僕の頭の中のウェンブリー・スタジアムで実に三回目のカーテンコールに応えてくれた―
窓の外を眺めたりしていた。
窓から見える風景は、牛や羊がしかめ面した修道士のように草を食んでいていかにも「イギリス的」だった。あまりにも典型的なイギリスの牧歌的な光景は、僕が映画のエキストラであるような奇妙な感覚を呼び起こす。僕は車窓に映る間の抜けた自分の顔を眺めながら、アルフレッド・ヒチコックが「カット!」としかめ面をしながら撮り直しを命じないか少し冷や冷やした。

日本にいる時に調べたよりも30分弱余分にかかって列車はNorthamptonに到着した。駅舎は思っていたよりもこじんまりしていて、駅の周りには何もなかった。僕の想像の中ではNorthamptonの町はいかにも工場の町
―レンガ作りの煙突からアイスランドの温泉のようにひっきりなしに煙を吐き出している町―
だったので少し意外だった。
IMG_0198_convert_20090505041813.jpg


僕は駅員のところに歩み寄り、レンタルバイクを借りたい旨を伝えた。駅員は、産業革命の時代から何万回と同じを質問を受けている、といった顔で

「残念ながらこの近くにレンタルバイクを取り扱っているところは無いのですよ、本当に残念なのですが。」

と僕に告げた。

僕は自分の英語が拙いせいで僕の意図するところが、近代から駅の装置として存在しているかのような駅員に伝わらなかったのかとも思ったが、視界の端に黄色いてんとう虫が機械になったようなタクシーを見つけたので少し微笑みながら駅員に礼を行ってタクシー乗り場に向かった。

タクシーは樹皮の隙間で冬篭りをしている甲虫のように連なっていた。僕は冬篭りをするタクシーの先頭に近づき運転手に話しかけた。

「Oliver Streetに行ってくれないか」

僕の言葉を聞いて運転手は、

「Oliver Streetと言っても随分広い。Oliver Streetのどこに行きたいんだ?」

と答えた。

やれやれ。僕が行きたいJohn Lobbの工場の正確な住所は日本では調べられなかったのだ。

この運転手は、今日の仕事が終わったら馴染みのパブでフィッシュ&チップスをつまみにギネスビールを飲むのだろう、深酒をしすぎて事故を起こさなければいいのだけれど。僕はお酒が飲めないので飲酒運転で事故を起こすことは絶対に無いのだけれど、彼が楽しんでいるギネスビールの美味しさを理解することはないのだろうな、永遠に。
などと考えながら、

「John Lobbの工場に行きたいんだ。John Lobbが靴を作っている工場に」

と彼に告げた。

運転手は、物理学者が書き損じの数式を書いた紙をくしゃくしゃに丸めたような笑顔で、

「何だ、John Lobbの工場か。大丈夫、ここから15分ぐらいだ」

と答えて、僕に乗車を促した。
IMG_0199_convert_20090505041857.jpg



―牛(の革)をめぐる冒険が始まった。―




えー、高校の先輩でもある村上春樹の文体を真似てみました。あまりにもしんどいうえに、大して似てないので次回からは普通に戻します。


※参考になったら押してくださいな
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